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ソーラーれん

建物の仕組みを利用して太陽エネルギーを取り込むソーラーのことを、パッシブソーラーといいます。「ソーラーれん」のシステムは、屋根に受ける太陽熱を、建物のてっぺん(棟)に集め、それを移送して床下に蓄熱させ、暖房や給湯に利用するシステム(空気集熱方式)です。
仕組み図
▼屋根+仕掛け  空気の通り道をつくる。
温められると上昇する空気の性質を利用します。屋根の下に空気の通り道をつくることで、太陽熱で温められた空気は、自然に棟に向い上昇していきます。
▼屋根+仕掛け  ガラスを載せる。
ガラスは、ごく普通の強化ガラス。温室効果によって、屋根面を外気温と風による放熱から遮り、集熱温度を高めてくれます。
▼屋根裏+仕掛け  太陽熱を集めて送る機械箱を置く。
冬に温かい空気を、ダクトを通して床下に送り、夏には屋外へ排出する・・・太陽熱で温まった空気を集めコントロールするための機械箱(ハンドリングボックス)を、屋根裏に設けます。
▼床下+仕掛け  蓄熱体を設ける。
「石の建築」に対して、日本の「木の建築」は、壁の厚さが違い、熱容量が小さいといわれます。そこで「床下」です。床下に土間コンクリートを打設し、太陽熱を蓄えます。
▼建物全体+仕掛け  断熱。気密の計画。
隙間があれば逃げる熱をおとなしくさせるには、断熱・気密を高めること。しかし、極度に気密を高めると、息苦しい空気のよどむ家になってしまいます。肝心なのはバランスです。
Q どうして、水ではなく空気なの?
A 水にはどうしても水漏れや凍結の心配が付きまといます。また、お湯を沸かすエネルギーと家全体を暖房するエネルギーとでは、量的にケタ違います。そして、何より、空気だからこそ生まれる現象は、私たち人間の身心に合った、心地よい効用を与えてくれるからです。
Q どうして、コンクリートなの?
A コンクリートがもつ性質(熱容量と熱伝導率)が、「昼間に蓄熱し、夜間に放熱する」という、一日のライフサイクルに、一番合っているからです。
素材別の熱容量と熱伝導率
このソーラーシステムは、いま世界でいちばん普及しているパッシブソーラーです。この普及の功績が認められて、国際太陽エネルギー学会(ISES)から、考案者の奥村昭雄(建築家/東京藝術大学名誉教授)とOM研究所(現自然エネルギー研究所)に対し、クリストファー・A・ウィークス賞が授与されました。全国の工務店によって、たくさんの住宅が造られているだけでなく、学校や病院など、いろいろな施設にも取り入れられています。
このソーラーの良さは、空調設備による過刺激的な温熱環境ではなく、ホドがいいことです。人肌のあたたかさ、といったらよいでしょうか。太陽エネルギーを、やわらかく抱きしめる、そんな技術です。
自然エネルギー研究所