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中庭のあるコンパクトな平屋/浜松市中央区西山町I様・お客様の声

2023.09.11

①築34年の家、「2階は要らない」

34年前、結婚して間もなく実家の土地を分けてもらい2階屋を建てました。息子と娘を育て上げ、ここ数年は夫婦の時間を過ごしてきました。その中で、リフォームについて少し話すようになりました。これまでリフォ―ムを一度も行ったことがなかったため、水廻りや床の老朽化に悩まされてきました。ようやくどこをリフォ―ムしようかと考え始めると、それはそれは色々と出てきました。

今更ながら、寒さ暗さをどうにかしたいとか、妻に至っては、不要な2階を無くしたいとまで?家中あちらこちらのリフォーム費用を見積もってもらうと、新築ほどの金額になってしまいました(こうしてみなさん建替えに踏み切るのでしょう)。特に2階を撤去する減築案については、現実的な話にはなり得ないとのこと。というのも、予算の多くを2階撤去分にとられてしまい、本当に暮らしやすくしたい1階の方で満足の行くリフォームができなくなるからです。減築というのは予算云々ではなく、元の家に思い入れがある方向きです。

我が家築34年の場合、リフォームで耐震補強したとしても耐震性が十分にはなりません。また、家自体が広すぎて間取が今の暮らしに合わないことから、建替をすることにしました。

小さな平屋なら地震で倒壊する心配はほとんど無いし、非難の際にも安全でしょう。夫婦の個室と暮らし心地のいいリビングがあればそれで十分。家事がしやすいコンパクトな明るい平屋を計画してもらいました。

②私の仕事

私は建具職人です。入政建築さんとの仕事関係の付合いも長い方。その私たち夫婦が家をどうにかしようと考え始めた時のことです。まず、ハウスメーカーの展示場へ足を運びました。職業柄、様々な工務店に出入りをしますが、ハウスメーカーの家は既成建具を使うため建具職人の仕事とは無縁。数社の建物見学をした中、ハウスメーカーの家と工務店が造る木の家との違いが明確になりました。ハウスメーカーの家はきれいでしたが、自分が住みたい家とは明らかに違うことが確認できたのです。家のことを良く分からない妻も、「ハウスメーカーの家は、住むとなったら落ち着かない気がするね」と言っていました。家が新しいうちは分からなくても、10年、20年と経ってきたら、この素材は劣化してしまうのだろうと思いました。見学したことで夫婦の方向性がまとまりました。そして、数ある工務店の中で入政建築さんにしたのは、経年変化して味が出てくる自然素材で造る木の家が私の好みだったからです。それに、仕事で出入りする中、入政建築の人たちの仕事ぶりも見てきましたし(笑)

③ゼロからの注文住宅

建築中、「高いんじゃない?」と知人に言われたことがありました。金額のことは人それぞれの感覚なので、それに対して私が言えることは「わたしの家は特別だ!」ということくらい(笑)私はいつも大工さんの仕事を目にしていますし、建てたいと思ったところが入政建築だったので特に思うところはありません。職人として語るとすれば、建具や造作家具が手作りで多いということ。壁の中にすっぽり収まる引き戸や、和室の4枚の引込み戸はきれいで使いやすいですよ。

入政建築は、一つ一つの要望に対して受け止め、色々と考えてくれました。できないと言わないところがいいですね。良くも悪くも決まりが無いというか(笑)。途中での要望に対しても、臨機応変に対応してくれました。金額が変わらない範囲の提案と金額が変わる提案とを出してくれるので、とても決めやすかったです。本当の全くのゼロからの家づくりとはこういうことですね。

④打合せ回数が多い

これは文句ではありません。特に家が建ってきてからの現場打合わせが頻繁にありました。「他社の2~3倍くらいの打合せ回数でしょうね」と新野さん。私たちからすれば、打合わせが多いのは安心につながるから有難いこと。実際の空間に居ながらにして、「ここにこれくらいの・・・」という話ができるから分かりやすいです。一般的には図面上で話をするところだと思いますが、それだと想像の世界でしかないです(笑)

建築士の頭の中と私たち(一般の人)の頭の中は違うので、そのギャップを埋めるために現場打合せが必要ということでした。また、建築現場を訪れる機会も必然と増えますから、家に対してより愛着が湧きます。「あぁ、ここが出来てきたな~」という具合に気づくことができます。

⑤家の配置

設計では「最初に家の配置を見誤ると家づくり失敗」と言われます。この辺りは道路と敷地の関係が特徴的で、南東向きと南西向きと二通りの家づくりが考えられています。元の家は南東向きで、一番明るくて良いところに玄関と大きなリビングが並んでいました。裏側になる西側キッチンの朝は暗くて夕方の西日が強いく北の水廻りはじめじめとしていました。南のリビングよりもキッチンに居ることが多かった妻は、新しい家ではいつも居るキッチンを気持ちのいい場所にしたいとこだわりました。

今度の家は南西向き。東からキッチンへ朝日が入ります。コの字型の家は奥まで陽射しが入るし、どこに居ても外を感じられる明るい家。昼間に電気を必要とするところは一つもありません(納戸にさえ窓があります)。長く住んだ敷地だからこそ、私たちには季節の風が吹く方向や日当たりも分かります。

⑥夫婦別室にしました

長年の夫婦生活でどうにかならないかと思ったこと。それは互いの温度感。私は暑がりですが妻は寒がり(?)なこと。お互いを思いやりながら過ごしてきましたが、この問題をなんとかしたいと思い、夫婦別室にしました。仮住まい中から夫婦別室にチャレンジしました(笑)。

中庭を囲むように個室を作りましたが、それぞれの個室は寝るだけの部屋になりそうです。個室もリビングも南に面しているのでどこに居ても明るく、引き戸を開け放てばひとつながりの空間になります。老後も声が届く暮らしができそうで安心です。

⑦緑は時間のデザインで

大きな窓、デッキ越しに緑陰樹が見えるリビンダイニングで、多くの時間を過ごすことになると思います。ここは南北の両窓を開け放つと、外に居るようなすばらしい風通しです。中庭というだけあって、窓を全開にしても全く気になりません。緑陰樹が目隠しになり木陰になり、目と心を楽しませてくれることを期待しています(ここなら木が大きく成長しても大丈夫)。

一方の玄関周りは、以前の主庭だった和風庭園を残しました。しかし、家が建つにつれこの南の角は役割を果たさない位置になってしまうことが明らかに。ここは庭屋さんに頼み、全体の調和がとれるように手を入れてもらうことにしました。

全体では、100坪の敷地に23坪の平屋を建てたため、敷地の余白がだいぶできました。北側にスペースを取り、道路から建物を少し離すことができました。駐車場や植栽を整えると、建物がだんだん引き立ってきました。

入政建築の庭屋さんは、最初から作りこまないとききました。下草はこれで終わり?と思うくらい隙間の方が多い。でも、未完成の庭は毎日毎年少しずつ違う風景に出会えるし、季節でひょこっと顔を出す花があったりすると得をした気分になるという他の施主さんの話も。私も楽しみにしています。

最後に

リビングからデッキ越しに畑が一面に広がる景色は昔から変わりません。その向こうに実家が見えます。仮住まいでこの場所を離れ、住宅街に住んでみて分かったことに、ここの環境の良さがあります。ずっと住んでいたから当たり前で気づかなかった景色。お隣の煩わしさもないこと。この年になっての建替えは、様々な思いも交錯しますが、念願の断捨離ができたり、人生のリセットができ、老後に備えることができたり・・・ということがあります。

子供たちが帰ってきた時に、「いい家だね」という言葉を聞けるのが楽しみです。

                                      おわり

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