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自然素材の家を選ぶ理由。時間とともに完成していく家づくり

2026.03.07

世の中のほとんどの家が、新建材でつくられています。

新建材は、リーズナブルで、狂いが少なく安定していて、工事もしやすい。
ある意味、夢のような材料です。

けれど――

入政建築では、自然素材で家づくりをしています。

新建材でつくっていない理由は、一言でいうと、
「長く使うものだから」です。

そして、その長く使う家を守っていくことのほうが、
ぼくたちにとっては、もっと大切なことだと思っています。



暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。

4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。

(*タグで絞り込み→「4代目」を選択すれば、ブログがのぞけます。)

家づくりを考えるとき、多くの方は「完成した姿」を思い描きます。

かっこいい外観。
整った内装。
雑誌やインスタで見るような家。

もちろん、それも大切。でも、家は完成した瞬間がゴールではありません。

むしろ、そこからがスタート。

家を建てる時間は、だいたい1年ほど。けれど、その家で暮らす時間は20年、30年、もっと長く続いていきます。

つくる時間より、使う時間のほうが圧倒的に長い。

そう考えると、家というのは「時間」と切り離して考えることができないものだと思っています。

今の住宅の多くは、
新建材(工場で人工的に加工・製造された建材)でつくられています。

クロスの壁。
シートの床。
木目調の建材。

完成した瞬間は、とてもきれいに整っています。でも時間が経つにつれて、少しずつ劣化していきます。

傷がつく。
めくれる。
色が変わる。

それは「味わい」というより、どうしても「古くなった」と感じる変化になりがち。

だから、新建材の家は完成した瞬間が一番きれいに見えることも多い。

言い方を変えると、完成がピークになりやすい家とも言えるのかもしれません。


一方で、自然素材の家は少し違います。

無垢の木の床。
木の建具。
自然素材の壁。

こうした素材は、時間とともに少しずつ表情が変わっていきます。

色が深くなる。
手触りが変わる。
暮らしの跡が残っていく。

それは劣化というより、
馴染んでいく変化です。

場合によっては、それを美しいと感じることもあります。

たとえば、ジーンズや革製品。

最初は少し硬く、スタイリッシュなものではないかもしれません。

でも使っていくうちに、体に合ってくる。色や形も、少しずつ変わっていく。

そして気づけば、「自分のもの」になっている。

自然素材の家も、似ています。最初から完成されているのではなく、時間とともに完成していく家。

そんな家づくりができたらいいなと思っています。

もう一つ、自然素材の魅力があります。

それは、空気の質がいいことです。

家は、一日の中でいちばん長い時間を過ごす場所。
その空気がどういう状態なのかは、とても大切なことだと思っています。

個人的な感覚かもしれませんが、特に匂いの違いははっきり感じます。

新建材の家に入ると、いわゆる「新しい家の匂い」がすることがあります。

一方で、自然素材の家に入ると、木の匂いや、材料そのものの匂いを感じます。

自然素材の家の匂いは、「新しい匂い」というより、素材がもともと持っている匂いです。

人は空気そのものを見ることはできませんが、いは感じることができます。

だからこそ、家に入ったときの匂いは、室内の環境を感じ取るひとつの手がかりになるのかもしれません。

長い時間を過ごす場所だからこそ、身体にやさしい環境であることも大切だと思っています。

インスタグラムやピンタレストで、家づくりのイメージを探す方も多いと思います。

実際、参考になる部分もたくさんあります。

ただ、あくまで参考程度にとどめておいたほうがいいとも感じています。

写真は、ある一瞬を切り取ったもの。
光の入り方や家具の配置、撮影の角度によって、とても魅力的に見えることもあります。
(うちの施工例の写真も、同じくですが…)

でも、家というのは写真の一枚だけで決まるものではありません。

敷地の条件。
周りの風景。
家族の暮らし方。
時間とともに変わっていく生活。

そうしたさまざまな要素が折り重なりながら、家の形は少しずつ決まっていきます。

だからこそ、家づくりでは「今いいか」だけではなく、

この家は10年後どう感じるだろうか。20年後も、心地よく暮らせるだろうか。

そんな長い目で見る視点も大切だと感じます。

もちろん、かっこいい家はつくりたい。

でも、映えるような「瞬間のかっこよさ」だけを追いかけるのは、少し違う気がしています。

ぼくたちが思う「かっこいい家」は、風景になる家です。

外から見たときに、この地域に似合っているな、いい家だな、と感じてもらえること。

周りの環境や風景に、自然と馴染んでいること。

そんな家のほうが、長い時間の中でも、ずっとかっこいいと思うのです。

使いながら馴染んでいく家。時間とともに変わっていく家。そして、地域の風景の一部になっていく家。

普遍的なものを感じる家は、やっぱりいい家だと思うのです。

家は、完成した瞬間がピークではなく、時間とともに完成していくもの。

そう考えると、
家を建てたあとも、とても大切な時間になります。

小さな手入れを重ねながら、
家の状態を見守っていく。

僕たちは、時間とともに完成していく家をつくっています。

だからこそ、建てて終わりではなく、
その後も家を守っていくこと――
「家守り(いえもり)」にも関わっていきたいと思っています。

そんなことを考えていると、家守りこそが、僕たちの本当の仕事なのかもしれない。

最近、そんなふうに感じています。

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