先日、リフォームの見積りをお出ししているときに、エアコンの大きさについてご質問をいただきました。
そのときに改めて感じたことがあります。
「エアコンの大きさって、どうやって決めているんだろう?」
実際の見積りでは、設備業者さんが部屋の広さなどを考慮して、問題ないだろうという機種を選定してくれています。
ただ、そこでふと思いました。
「この大きさの根拠を、もっとわかりやすく説明できたらいいな」
入政建築には、エアコン能力を算定するソフトもあります。
せっかくなら、そこまで含めてご提案できた方が、より安心していただけるのではないかと感じました。
そんなこともあり、今日は エアコンの選び方について少し書いてみたいと思います。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
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エアコンは後回しになりがち
エアコンって、家づくりの中では後回しになりがちですよね。
空間そのものが変わるわけではないので、どうしても優先順位が下がってしまいます。
けれど、居心地に大きく関係してくるのがエアコンです。
家電屋さんや、エアコンのカタログを見ると、畳数で能力の違いが分類されています。

ただ、エアコンは畳数だけで決めるものではありません。
エアコンの能力は家によって変わる
同じ20畳のLDKでも、
・断熱性能
・気密性能
・窓の大きさ
・方位
・天井高さ(気積)
によって必要なエアコン能力は大きく変わります。
例えば、断熱性能の高い住宅では、想像よりも小さいエアコンで快適に過ごせることがあります。
逆に、吹き抜けや窓の条件によっては、少し能力を見直した方がいいケースもあります。
つまり、エアコンは畳数ではなく、建物性能で決める設備なのです。
入政建築では能力計算を行えます。
入政建築では、エアコンを提案する際に「エナジーzoo」というソフトを使い、簡易的な能力計算を行っています。
入力するのは
・建物の断熱性能
・床面積
・気積(天井高さ)
・窓の条件
・方位
などの条件を入力していくと
冷房・暖房それぞれの最大負荷(必要能力)を算出することができます。
この数値を基準に、エアコンの能力をカタログと照らし合わせ、選定していきます。
実は「畳数表示」は古い住宅が基準
実は、エアコンの「◯畳用」という表示は、かなり古い住宅性能を基準に決められています。
1960年代の住宅性能をベースにした基準で、
・断熱がほとんど入っていない木造住宅
・窓の断熱性能が低い住宅
を想定しています。
そのため、現代の断熱性能の高い住宅ではエアコン能力が大きすぎるケースもよくあります。
実際の事例
実際に、先日建築させていただいたお宅では、LDKが約22畳ほどありました。
一般的な感覚だと、20畳以上のエアコンを選びたくなる広さです。


暖房期の最大能力 → 10.03kW
冷房期の最大能力 → 5.11kW
という計算結果になりました。
ちなみに冷房の計算では、エアコンの運転方法も加味して計算しています。
今回は、日中は冷房運転を止めないという条件で算定しました。
エアコンは、一度止めてしまうと、再び部屋を冷やすときに大きな能力が必要になります。
逆に、弱く運転を続けている方が、必要な最大能力は小さくなるのです。
そのため今回は、日中も止めずに運転する前提で能力を算定しています。

この結果をもとに、14畳用のエアコンを採用しました。(20畳用では、能力が大きすぎると判断しました。)
もちろん、家の性能や窓の条件によって最適な能力は変わりますが、「大きければ安心」というわけではないということを改めて感じた事例です。

エアコンは大きければ快適ではない
エアコンは、能力が大きければ良いというものでもありません。
(実際のエアコン販売の現場では、効かないというクレームを恐れて、必要以上の能力でご提案することが多いのも事実です。)
能力が大きすぎると
・すぐ冷える
・すぐ止まる
・また動く
という運転になります。
この状態になると
・湿度が下がりにくい
・温度が安定しない
・電気代が増える
ということが起きる場合があります。
前の事例でも、示したように、エアコンは弱く長く運転する状態が一番効率よく、快適になると言われています。

エアコンは価格だけで選ぶと少しもったいない
エアコンを選ぶとき「とにかく安いもの」という考え方もありますが、少しもったいない部分もあります。
エアコンの価格差の多くは、消費電力の違いです。
つまり
・安い → 電気を多く使う
・高い → 電気をあまり使わない
という傾向があります。
長い目で見ると
・電気代
・環境負荷
も変わってきます。
エアコン選びで大切なのはメンテナンス性
もう一つ大切だと思っているのがメンテナンス性だと考えています。エアコンは10年以上使う設備です。
その間に
・フィルター掃除
・内部の汚れ
・カビ
・クリーニング
など、必ずメンテナンスが必要になります。
掃除しにくい構造だと、どうしても汚れがたまりやすくなります。
三菱電機がおすすめ
いろいろなメーカーがありますが、
メンテナンス性という視点では
「三菱電機(霧ヶ峰)」がとてもよく考えられていると感じています。
理由は「はずせるボディ」という構造。

前面パネルやフラップなどが取り外しやすく、内部の掃除がしやすい設計になっています。
長く使う設備だからこそ、掃除のしやすさはとても大切だと思っています。
これからは能力計算も含めて提案していきたい
正直に言うと、これまで入政建築では、エアコンの能力計算まで行って提案することは多くありませんでした。
「この部屋ならこのくらいかな」
という経験値の中で選定していた部分もあります。
もちろんそれでも大きな問題になることは少ないのですが、住宅性能が上がってきた今、より丁寧に設備を選ぶ必要があると感じています。
だからこそ、これからはエアコンの能力計算も含めて提案していく。
建物だけでなく、設備も含めて暮らしを整える。
その積み重ねが、長く満足のいく家につながるのではないかと感じています。







