長年マンションで暮らしてきた50代のご夫婦。子育てもひと段落した今、誰も住まなくなった奥様のご実家へ移り住み、そこで新たに暮らしを始めることを決意されました。
奥様が小さな頃から見てきた庭や、家族の思い出が詰まった建物、その大切な風景や面影を残しながら、夏は涼しく、冬は暖かく、今の暮らし方に合った新しい間取りへとリノベーションを行いました。
懐かしさと快適さが共に息づく、あたたかな住まいとなりました。
客間和室をリビングダイニングへ大きく変更
昭和の時代に多かった南の客間。現在の家づくりでは、日当たりの良い位置にLDKを配するのが一般的ですが、かつては家の最もいい場所に床の間付きの座敷を造る家が多かったものです。それによりキッチンは北や西の方角に追いやられ寒く暗いといったデメリットがありました。


居間(画像左部分)の位置は元のままです。座敷だったところを新しくリビングダイニングとしました。ダイニング奥の柱は、ご希望があり思い出の柱として修復しました。毎日目にする場所に以前の木肌をそのままに残しています。キッチンに立つと、庭もよく見えます
西側半分を大きく間取り変更

新たな家族用の玄関
昔から南から門を入るルートとは別に、家族は駐車場の横になる「勝手口」から出入りをしていました。今回、キッチンを移動したことにより、新たな出入口として土間収納を備えた家族玄関を作りました。

家族用玄関の収納はもと本棚を利用。ウォークイン土間収納(1坪)付きで広い玄関です。
こちらは、メイン玄関。ゲスト用です

リビング(画像右側)への出入口にはポリカーボネートの軽い吊り建具を。玄関ホールの明るさが増しました。下駄箱は既存のものを再利用
木のデッキ、大開口で庭が近づくリビング


窓を開け放つと2mの開口になり、外と室内の空気がつながります。デッキは外からの見た目だけでなく、室内と庭の暮らしの中継になります。また、窓を閉めていてもガラスが大きいため、以前より開放感が増しました
和室から洋室へ変更
リフォームでもご依頼の多い洋室への変更です。押し入れはクローゼットにするパターンが多いですが、半分は押し入れの段を残すなど自由にアレンジができます


脱衣室と分け、独立させた洗面室
洗面と脱衣室が同じ空間の場合、誰かが入浴していて洗面台が使えないということがしばしばあるものです。また、多目的に使う洗面脱衣室は、ものが多くなりがちで洗面台や洗濯機から小物(洗濯道具類や歯磨きなど)があり雑多になりがちです。
もし床面積が許されるのであれば、混雑を避けるためにも独立した洗面スペースにすることをおすすめします。このように脱衣機能を別にすると、ゲストにも使ってもらいやすいすっきりとした洗面スペースになります

現代の洋室へ?

天井の一部を上げて梁を活かし、空間に個性を出してみました

建物の佇まいを残すリノベーション


建替えも選択肢にあった中で、大規模リノベーションを決められたご夫婦。
リノベーションなら、元の広さ(床面積)を活かしつつ、住まいの佇まいを色濃く残すことができます。りっぱなお庭に行き来しやすように、新しく木のデッキを設けました。
長くマンションで暮らしてこられたお二人は、この庭を受け継ぎ、緑に寄り添う暮らしをこれから楽しんでいかれます。
お客様の声(ご入居後のアンケートより)
Q、依頼先を入政建築に決めた理由はどんなことでしょうか?
A、「縁」「柔軟性」「親しみやすさ」「大工さんが作る」「がんばっている工務店」「チームワークが良さそう」
Q、入居してみての感想をお聞かせください
A、築年数からいろいろな不安を抱きながらのスタートでしたが、わがままな要望や打合せの中から拾ってもらったキーワードを取り入れていただき、また細かいことを言わなくても常にベストな仕様で、元の家の空間を生かした快適でいい住まいを作り上げていただきました。感謝しています。
ハウスメーカーでは成しえない、温もりのある手作り感(完成すると見えなくなる部分の手間や大工さんをはじめ職人さんたちの技を駆使した仕上がり)に日々触れることで、永く満足感に浸れそうです。
Q、これから家づくりをする方へメッセージをお願いします
A、住宅は築年数を重ねると安易に建替を考えてしまいがちですが、そこにその年月分存在していたわけなので良い面もあります。今の住まいに思い入れがあり、それを生かした新たな暮らしが改築でもできないかな?と感じれば、選択肢として考えてもよいと思います。
新築にせよ、改築にせよ住まいづくりは楽しいです。人生でそうない機会なのでどうせなら楽しみましょう。楽しんだ分だけ、入居後もワクワク生活を楽しめると思います。