2025年6月2日~2025年6月10日まで海外視察旅行にいかせていただきました。
場所はイギリス(エジンバラ・グラスゴー・ダラム・ロンドン)-フランス(パリ)。
師である建築家の秋山東一氏が「見たい」「見せたい」と思った場所に実際に行って学ぶ、一味違った視察の旅です。
今回は、Day2の記録。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
こんにちは。4代目の新野恵一(にいの けいいち)です。
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そいえば、この旅。秋山先生とずっと一緒の部屋に宿泊させていただきました。
82歳で、海外にいくバイタリティー。真似したい。
旅1日目の終わりに、エディンバラから少し足を伸ばして、スコットランド第2の都市・グラスゴーへ。
石造りの建物とレンガの町並みを眺めながら向かったのは、チャールズ・レーニー・マッキントッシュが設計した「ヒルハウス」。
マッキントッシュは、スコットランドを代表する建築家。
建築はもちろん、家具、照明、装飾に至るまで一貫した思想でデザインしており、建築家というよりは、総合デザイン家と言える巨匠です。

この字体も、マッキントッシュが考えたもの。
マッキントッシュは、日本には来たことはないようですが、日本的な感覚を大切にした人物のようです。
天井の高さが部分ごとに異なっていたり、シンプルな機能性の中に細やかな装飾が溶け込んでいたりと、随所に日本的な感覚が感じられました。

日本の和室の長押のような、材料もついています。

ソファ部分の装飾も、床柱のような設えです。

ベットがおかれる部分の天井のみに、アール天井が採用されています。


1902年当時の最新のシャワーブース。
パーツが一つずつ意味を持ち、原理原則に従って配置されている。
だけど、それは決して型にはまっていない。
むしろ、遊び心と柔軟さがあって、それがこの建物全体に感じられました。
秋山先生の言葉、「予定調和的じゃないところがよかった」
が、室内空間や外観を表していると思いました。
すべてを揃えて設計するのではなく、その場所ごとの条件に応じて、自由に形が決まっていく感覚がすごくよかったです。
現在ヒルハウスは、2019年から2029年までの10年計画で外部の補修工事中。
建物全体は、巨大な仮囲い(保護構造)に覆われているのだが、これがまた驚くほどかっこいい。
この囲いそのものも、建築家によって綿密に計画されているといいます。
→詳しくは、こちら!
秋山先生も、「あの囲いとともにヒルハウスがある。といっても過言じゃない。」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。

今しか見られない、の「ヒルハウス」!
そして改めて感じたこと。
建築の作り方は、すべてをそろえることが正解ではないのだということ。
ある一定のルールの中で、その場その場で変えていく自由さ。
そんなものが感じられると、空間は豊かになっていく。
ヒルハウスは、そのことを体現したような建築でした。
この日のお昼は、マッキントッシュが設計した「The Willow Tea Rooms」で、アフタヌーンティを楽しみました。
下から食べるのが、礼儀らしい(サンドウィッチ→スコーン→クッキー)。
飲み放題の紅茶をたらふくいただきました。

おじさんたちが、おいしそうに甘いものを食べてるw

左は、静岡県静岡市の野沢工務店の野沢社長。右は、千葉県習志野市の佐野工務店の佐野社長。
贅沢な時間を過ごさせていただきました。
さらに、この日はザハ・ハディドが設計した「Riverside Museum(乗り物博物館)」も訪れました。
ザハ・ハディドは、女性建築家として世界的に活躍し、幻の日本の国立競技場をデザインしたことでも知られている。
この博物館も、彼女らしい流線形の造形が特徴的で、建物そのものが巨大な彫刻作品のようだった。

内部空間はワンルームの大空間に、鉄道、車、バイク、船など多種多様な乗り物が所狭しと展示されていて、その迫力に圧倒されました。

それにしても、イギリスの空模様は本当に気まぐれ。
晴れたと思ったら、3分後にはしとしと雨が降ってくる。。。。
傘は必須。というより、天気の変化を楽しむ心構えが必要かもしれない。
Day3は、大移動の日。
ニューキャッスル→ダラム→ロンドンに移動します。
【ついに出発!】イギリス-パリ視察旅行スタート! -Day0-