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天竜ヒノキと土間リビングの家、上棟しました。

2025.11.30

Nさんの家が、いよいよ上棟しました。

この家の構造材は、天竜ヒノキ
N さんの「天竜材を使いたい」という強い想いを、いりまさらしくカタチにすることができました。

*上棟日の朝の状況。



暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。

4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。

(*タグで絞り込み→「4代目」を選択すれば、ブログがのぞけます。)

この敷地は、古家とマキの生垣、そしてたくさんの植栽に囲まれた、自然とともに暮らすのがぴったりの環境です。
できるだけ既存の緑を残し、自然と馴染む家をつくること。これが計画のはじまりでした。

土間リビングという 外とつながる核

この家の中心になるのは、土間リビング。

靴のまんま出入りしてもいいし、庭で採れたものをそのまま持ち込んでも良い。動物と楽しく暮らすことも容易にできる。
外の空気と家の中がゆるやかにつながる、場所です。

大きな吹き抜けと一体になり、家の中なのに外にいるような、外にいるのに家に包まれているような、
そんな感覚を味わえる空間になります。

こうした 暮らし を望む方は、本当に多いと感じています。
その理想を、今回しっかり形にできそうです。

*設計の哲さんも、ホッとした表情。

在来工法を選んだ理由は「天竜材を使いたいから」

今回、いりまさは 在来工法 を選択しました。

一番の理由は明確で、天竜材を使いたかったから。

天竜材の多くは、製材や乾燥の方針から JAS 認定を取得していない材 が中心です。
品質や強度が劣るわけではなく、むしろ丁寧に扱われた素性の良い材ですが、

金物工法は原則、JAS 材しか使えない。

金物メーカーの強度計算の前提が「JAS」で統一されているためです。

金物工法で、天竜材は「絶対に使えない」わけではないけれど…

ここは誤解されやすい部分なので、正確に。

実際には、設計者の判断によって天竜材でも金物工法に使うこと自体は可能 です。

ただし、いりまさとしては

  • メーカー仕様を守り、保証と安全性をわかりやすく担保する

という方針を大切にしています。

そのため、「使えるから使う」のではなく、メーカー仕様に従う。

この姿勢で家づくりをしています。

だから今回、天竜材の魅力を最大限に活かせる 「在来工法」を選びました。

四方差しの欠損をカバーするための 大黒柱

在来工法には在来工法の特徴があります。

梁を四方向から差し込む「四方差し」は美しいですが、柱への欠損がどうしても大きくなる。

そこで今回は、120mm幅の天竜ヒノキ を柱・桁に使用し、さらに中心には 大黒柱 (180mm×180mm)を据えています。

この大黒柱は、構造的な要であると同時に、完成後は 、空間の象徴 となる存在です。

見上げれば梁と組まれ、触れれば木の質感が伝わり、光が当たると、一本の木としての表情が浮かび上がる。

材料を用意してくれたフジイチさんのスタッフも、「この家見ながら白飯食えますね」と、ほれぼれしていました(笑)

*真ん中の柱は、大黒柱。

木組みが立ち上がる、この瞬間が美しい

上棟したばかりの今は、まだ壁も床もなく、木組みだけが立つ特別な時間 です。

同時に、建築物としての力を一番感じる瞬間でもあります。
まちの風景として、立ち上がる瞬間。

天竜ヒノキの香り、木肌の明るさ、そして柱と梁が整然と組まれていく姿は、
木の家の美しさそのもの。

これから断熱が入り、窓が入り、土間が整い、暮らしの場がゆっくりと形になっていきます。

最後は、雨養生をしっかりして終了です。

森とつながり、土間でくつろぎ、木の力に包まれる家。

完成がとても楽しみです。

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