WORKS 施工実績

親の家を引き継ぐ、古民家リノベーション/浜松市中央区神ヶ谷町

高齢の親が住む家に同居することになった60代夫婦のリノベーション。古民家の経年美を活かしながら、夫婦のライフスタイルに合わせたプランで、親子3人の暮らしを新たに計画。建物の東部分をスケルトンにし、補修を交えながら断熱性を向上させる工事です。LDKと水廻り+2階。外観を変えない、建物およそ半分のリノベーションです。

リフォーム内容>リビング・ダイニング・キッチン・浴室・トイレ全面改修。1階個室の壁・床・天井交換(断熱工事)、2階廊下・和室の床貼換え・壁改修、2階トイレ・洗面台設置・外装塗装

スケルトンにしてLDKをフルリノベーション

解体中LDK・浴室

古材を活かした壁は漆喰を重ね塗りに。古い室内建具は梁と同じ色味で残します。小刻みだった間取りをつなげ、奥まで見通しの良い明るいLD空間になりました。リビング上部は2層吹抜けとし、古民家らしい梁が印象的なリビング空間となりました

改修後LDK

今まで小屋裏(天井裏)に隠れていた梁がお目見えしました。冷暖房の効きが気になるようであれば、吹抜け部にシーリングファンの取付けをおすすめします。

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れるため、エアコンによる温度ムラができます。夏に冷房をかけると足元ばかり冷えて上半身が冷えない、冬に暖房をかけても足元が温まらないといった現象が起こりがちです。シーリングファンの回転力で部屋の空気をかき混ぜ、室内の温度を均一にすることが期待できます。エアコン効率がアップし省エネに繋がります。

改修後 明るいLDK吹抜け

シーリングファン:天井に取付けるサーキュレーターのこと。設置により 夏と冬の快適度が上がります。節約効果が期待でき、インテリア性もあります

吹抜け上部窓から奥のキッチンまで採光が届きます。漆喰の白い壁も明るさを増す効果があります(もう昼間の灯りは必要ありません)

改修前 キッチンと居間。昼間でも灯りが必要

リビングの断熱性能を高め、段差を解消する

毎日使う水廻りは、老朽化により快適性が損なわれていました。新しい性能の良いものにし床をバリアフリーにすれば、使いやすく健康的な暮らしにつながります。これら水廻りの設備交換とともに、現状の家族に合わせて間取りの見直しを行いました。居間からキッチンの段差とキッチンから洗濯機が置かれていた土間の段差が解消されています。浴室はLDKから直接行き来できる間取りとしました。

断熱改修をすると外気の影響を受けにくくなるため、冷暖房効率が高まり熱中症発生リスクを減らすことができます。また、冬暖かい家はヒートショック等の病気のリスクも軽減します。光熱費も下がり経済的。LDKの工事が絡んだすべての壁に断熱材を入れています。

広い2階の改修

長期間荷物置き場と化し、誰にも使われていなかった2階を活用できるように改修しました。すべてではありませんが、内装で工事が絡んだ部分には断熱材を入れました。畳は無垢床フローリングへ。

増設したトイレ前、押入れを洗面スペースに改修。

古民家のリノベーションについて

工事中LDK

東側の解体をすすめると、家を支えてきた見事な柱や梁の一部が表れました。それらが中心となる大黒柱に向かっていることを想像すると、建物がいかに大きいかということを感じます。

工事中LDK

大工の伝統的な木造工法、手わざが長い時を経て確認できる現場は今や貴重。現在は、プレカット工法がほとんどになり、構造に金物を使うことが当たり前になっていますが、こうした伝統工法を若い大工に継承していくことも大切で、若い大工が手を入れながら学ぶ場となります。

今回、1階の小屋裏だった大きな梁がある空間は、1階の吹抜けとして活かすことにしました。どこまでを空間とするのか、どこを天井とするのかということを考え、2層目の上に天井を貼ることにしました。

リビング上部は、2層分が深い吹き抜けに。上部南には2階廊下から繋がる通路を残しました。ここは、リビングを下に梁が見える場所、窓の開閉用途で使います

リビングから見上げた吹抜け・梁
リビングから見上げた吹抜け・梁

日本の家は古来より、夏の高温多湿を考えた造りで風通しを重視しました。そのため冬の寒さは我慢するものであったと思います。しかしながら、年中ここちよく暮らしたい現在の人々にとって、断熱気密性は欠かすことができません。大きな古民家の補修は費用がかります。よく使うスペース限定の部分改修がおすすめです。

見事な梁・柱で組まれた空間である古民家は、広くゆったりとした間取りへの変更が可能です。居間などの日常スペースの暗さを解消でき、明るい陽が射すLDKにすることができます。

住まいとは、意識せず当たり前に家族と過ごす空間。ですが、家族の成長、家族構成の変化に合わせ生まれ変わり、より良く過ごせるものにしていかなければなりません。家族の成長やライフスタイルの変化に伴い、家は古いものを残しながら生まれ変わることができます。

【古民家とは?】明確な定義はなく、一般的に築50年以上の建物で、木造軸組工法の伝統構法若しくは在来工法で建てられた住宅のことを呼びます。

工事中外観

image01 image02 image03 image04 image05 image06 image07 image08 image09 image10

無料相談 無料相談