2025年6月2日~2025年6月10日まで海外視察旅行にいかせていただきました。
場所はイギリス(エジンバラ・グラスゴー・ダラム・ロンドン)-フランス(パリ)。
師である建築家の秋山東一氏が「見たい」「見せたい」と思った場所に実際に行って学ぶ、一味違った視察の旅です。
今回は、Day3の記録。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
こんにちは。4代目の新野恵一(にいの けいいち)です。
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グラスゴーから、バスで移動して、ニューカッスル・アポン・タインの郊外に。
日本人は、ほとんど泊まらないというゴルフ場に隣接するホテル(Mercure Newcastle George Washinton hotel)に宿泊しました。

バイカーの集合住宅
ここには、スウェーデンの建築家 ラルフ・アースキン が設計した有名な集合住宅 「バイカー(Byker)」 があります。
設計開始:1969年
建設期間:1969年〜1982年
この住宅地は、当初計画されていた高速道路の騒音を住宅地に入れないため、道路側に高層の建物を立てて、その内側に低層住宅を配置する形でつくられました。
道路側の窓も小さく、音への配慮がうかがえます。
茶色のレンガに、赤い小窓。がかわいい♡

結局、その高速道路は建設されなかったけれど、この大胆な「音を遮る壁のような建物」は風景として残り、バイカーのアイデンティティになっています。
実際に歩いてみると、色とりどりの外壁や、簡易的に取り付けられた庇などがとても親しみやすく、DIY感が漂っていて温かい。
実は、DIY感を、プロの仕事として見せるのは、至難の業なのです。

高級な素材を使っているわけではなく、さらに、同じ素材が使われているわけではありません。
窓の形も様々で、、、
別々のものが、おりかさなっているけど、なぜか統一感があり、、、不思議な感覚です。

玄関上の庇の取り付け方も、DIY的に取りついてます。

築42年なので、ところどころリフォームも施されていました。

屋根は青、窓まわりは赤、玄関部分は緑。
住人の好みで配色されているのか、それとも元々のオリジナルの色なのかは、
外から見ただけでは分からずじまいでした。
キングスゲート・ブリッジを歩く
「バイカー」を後にして、次は ダラム へ移動。
ダラムといえば歴史ある大聖堂と美しい街並みが有名ですが、今回の目的はちょっと違います。
秋山先生が「ぜひ実物を見たい」と言っていた、構造好きにはたまらない名作、キングスゲート・ブリッジ(Kingsgate Bridge) を見に行きました。
このコンクリートの歩道橋を設計したのは、世界的に有名な構造エンジニア オーヴ・アラップ(Ove Arup)。
さらに、日本の構造界の重鎮、坪井善勝氏も若い頃にこの設計チームに関わっていたと言われています。
キングスゲート・ブリッジのすごいところは、その作り方。
キャンチレバー工法(片持ち張り出し工法) という方法で、両岸から橋桁を少しずつ伸ばして、川の真ん中でピタッと繋げて、完成させたそうです。
そして、真ん中部分がくっついていないのが特徴。
調べると、この部分は、ピン接合になっているとのこと。
実際に歩いてみると、中央部分は、くっついていないことがよくわかります。

この工法は、川の真ん中に足場を立てる必要がないので、自然環境を壊さずに施工できる。
そして何より、その構造が見た目の美しさにもつながっていて、ただの歩道橋なのに、眺めていたくなるような存在感がありました。


その後、レスター大学工学部棟を見学。
レスター大学工学部棟は、秋山先生が55年前に見て、驚嘆した場所。今回の旅の、一番のみどころ!
築62年になるとは思えない建築物。

外廻りだけ鑑賞する予定でしたが、ここである奇跡が・・・。
これを書き出すと長くなるので、次回へ。。。
【ついに出発!】イギリス-パリ視察旅行スタート! -Day0-
【エジンバラ】 世界遺産を回る「旧市街」と「新市街」&「フォース鉄道橋」 -Day1-
【グラスゴー】 ヒルハウスからRiverside Museum(乗り物博物館) -Day2-