長く空き家になっていた、築40年を超える大きな和風住宅のリフォームです。大家さんから、新しい住人さんを迎える前に住まいを整えておきたいとご相談をいただきました。新しい住人さんが引っ越してすぐに不自由なく暮らせるよう、水まわりの改修中心の計画です。まだ住人さんの具体的なご希望が入る段階ではないため、今回は賃貸住宅のリフォームのように、内装を中心に、予算の範囲でできることを整えるました。住まいのリフォームは、使う方の希望を取り入れて進めるのが理想ですが、このように次に住む方が決まる前に整えるケースでは、「誰が住んでも使いやすい形」に整えておくことも大切になります。
リフォーム箇所〉浴室・洗面脱衣室の改修、キッチン・居間、洋間・和室・寝室、その他屋内のクロス貼替、襖・障子の貼替、畳替え、一部床貼り直し、キッチンを除く設備機器の交換など
外装を触らない浴室と洗面脱衣室の拡張リフォーム
内装リフォームで浴室や洗面脱衣室を新しくする際、窓などの開口部が工事に干渉する場合は、窓を撤去して新しい窓へ交換する方法が一般的です。
つまり通常であれば、外装工事も伴うリフォームになりますが、今回は予算を抑えるため、既存の窓を残したまま、内装工事だけで浴室を拡張する方法を採用しました。
0.75坪の浴室を1坪のユニットバスへ
既存の浴室は、昔ながらのタイル壁のお風呂で広さは0.75坪。
現在では一般的な1坪サイズのユニットバスを設置し、お掃除がしやすく、冬も暖かい浴室へとリフォームしました。浴室の拡張に伴い隣の洗面脱衣室も広げました(裏口を塞ぐ計画)。

窓は残して内側からふさぐ方法で
浴室には既存のサッシを残すため、内側から壁でふさぐ形にしました。そのため、ユニットバスは窓がないタイプです。最近では、あえて窓のない浴室を選ぶケースも増えてきました。
理由としては
- 断熱性が高い
- 防音性が良い
- 窓掃除が不要
- 防犯面で安心
といった点が挙げられます。ただし、
- 採光が取れない
- 乾きが遅いと感じる
- 閉鎖感を感じる
といったデメリットもありますので、暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。ちなみに新築の場合、浴室やトイレの窓を設けないことで予算を抑えることにもつながります。

洗面脱衣室の窓は2/3サイズに
浴室の拡張により、洗面脱衣室の窓は実質2/3になりました。1/3は壁向こうに隠れていますが、窓としての機能はしっかりと残しました。

外観はそのまま残しました
外観は大きく手を加えず、既存をそのまま残しました。今後、裏口のドアは使用できないため鍵を閉め、内側から断熱材を入れました。
サッシ・格子も既存のまま残し、外観の印象が変わらないリフォームです。

〈工事写真〉

家守りの観点からすると・・・
今回のリフォームでは、浴室と洗面脱衣室を主に優先し、外装には手を入れない計画となりました。
ご予算の中で、毎日の暮らしをより快適にすることを大切にしたリフォームです。
家守りという視点から考えると、本来は外壁などのメンテナンスもあわせて検討したいところではあります。外壁は見た目だけでなく、雨や湿気から建物を守る役割を担っているからです。
ただ、リフォームにはそれぞれの事情や優先順位があり、今回のように、まずは暮らしの不便を解消する工事を優先するという選択もありです。これもご予算の中で住まいを整えていく一つの方法だと思います。
既存の窓を残しているため、外から見ると「大きくリフォームした」という印象こそありませんが、その分、限られたご予算を暮らしの使いやすさに充てた計画です。今できる範囲で精一杯の整え方をさせていただきました。
今回、外壁はそのまま残すことになりましたが、次回のリフォームでは外壁のメンテナンスもぜひ検討していただけたらと思います。

住まいの手入れは、一度にすべて行う必要はありません。
ご家族の状況やご予算に合わせて、その時々に合った方法で住まいを整えていくことも大切。
入政建築では、そうした暮らしの状況を大切にしながら、それぞれのご家庭に合った「家守り」の方法をご提案しています。







