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心地よい環境づくりと、次世代につながる家づくり

2025.10.06

最近、「快適」という言葉について考えることが増えました。
数値で測れる「快適」と、五感で感じる「心地よさ」。

今回は、入政建築が考える「快適」と「心地よさ」について、
そしてそれがどうサスティナブルな家づくりにつながるのかをお話しします。



暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。

4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。

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快適をコントロールして、暮らしを豊かにするということ

「快適をコントロールして、暮らしを豊かにする」
それが、一般的に言われる「快適性」だと感じます。

建築物は、それを実現できる存在であります。
そして、建築物の価値を測る指標の多くは、その快適性を数値化したものです。
その数字は、たしかに大切です。

しかし、快適性とは本当に人間がコントロールできるものなのでしょうか。

設備や温熱性能に頼って快適性を保つことは、一時的な快適性に依存した考え方なのではないでしょうか。
もし設備がなくなったら、その空間は本当に快適と言えるのでしょうか。

ホテルで感じる「快適」と「違和感」

ホテルに滞在すると、いつも感じる違和感があります。

たしかに、めちゃくちゃ快適ですが、、、、
快適ではあるのに、なぜか「ずっとここにはいられない」と思う。


それはつまり、五感では「心地よくない」ということなのかもしれません。

「心地よい」と「快適」は、似ているようで違います。

けれど、ある程度の快適さはもちろん大切。


ただ、「心地よさ」というのは、外からやってくるものです。

たとえば
風が通って気持ちがいい。
窓際があたたかくて好き。
窓の外から虫の声が聞こえる。

そんな感覚は、設備や温熱性能だけではつくることができません。

「心地よさ」は、家づくりの基本

それでも、建築物の価値として「設備」や「温熱性能」を謳う必要があります。
だからこそ、窓を小さくする、あるいは性能の高い窓を使うことが多い。

たしかに、それは理にかなっています。
性能や数値を重視するほど、コントロールしやすい。
けれど——
それで「心地よい」と言えるでしょうか?

浜松のように自然豊かな地での「心地よさ」とは何か。
それは、設備や性能を考える前に向き合うべきことだと思います。

サスティナブルという視点から

いまの住宅産業は、設備や温熱性能を「売り」にしています。
たしかに、建物のスペックは、差別化しやすいものだし、数値は嘘をつきません。
嘘をつかないものにスポットを当てるのは理にかなっています。
とても素晴らしいことです。

しかし、その建物が「心地よい住環境」になっているかというと、疑問が残ります。

ここで「サスティナブル」という言葉を考えてみたい。
入政建築は、サスティナブルな社会に寄与したいという想いを持っています。
では、ぼくたちのサスティナブルな社会ってどんな社会なのか。

「物的サスティナブル」とは、違う。「この家を残したい」という感覚。

長い間、形を保ち、メンテナンス費用も少なく済む。

さらに、エネルギー消費量も少ない建物。CO2排出量も少なく、環境にも優しい。
そうした建物は「物的サスティナブル」と言えるでしょう。
おそらく、ハウスメーカーのいう「サスティナブル」はこの方向です。

けれど、それは「今の世代」の話。

次の世代が「この家を残したい」と思えるだろうか。

どんなに、環境に優しいといえども、その家が心地よくなければ、スクラップ&ビルドは続いてく気がします。

*写真は、築40年実家リノベーション/磐田市


次の世代につながる家づくり

ぼくたちは、心地よい環境を、必要な温熱環境と最低限の設備で実現したいと考えています。
設備は最小限であるからこそ、時代に合わせて容易に交換・更新でき、長く使い続けることができます。
そして、その環境が「心地よい」ものであれば、次の世代も「この家を残したい」と感じるはずです。

住まい手が変わっても、この建物を使い続けたいと思える。
そんな家づくりこそ、私たちが目指す「次世代につながる家づくり」です。

風景としての家

先日伺った菅組さんの理念に、至極、共感しました。

たしかさでつくる菅組の家

百年以上、讃岐の地に寄り添い続け
てきました。
土地や地形を知り、そこに住まう
人たちの声を聞き、人と自然の理に
かなったカタチをつくる。
長く住み続けるうちに、やがて土地に
根付き、家そのものも風景の一部に
なっていくような、そんな家づくりを
得意としています。

https://sugaguminoie.jp/


まさに、ぼくたちも同じ想いです。

家を一つつくることは、その町の風景をつくることでもあります。
風景になれば、人は自然とその家を残したくなる。

「心地よい環境づくり」と「風景となる家づくり」。


この二つを両立させることこそが、入政建築がサスティナブルな社会に貢献できる道だと、ぼくたちは考えています。

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