自宅の横に、趣味の小屋を建築したい。
そんなご相談をMさんからいただき、6畳の小屋づくりがスタートしました。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
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今回の小屋は、プレカットではなく 手刻みで加工。
手刻みにした理由は、建物の面積が小さいから。
小屋サイズなら加工量も多くないので、大工さんに時間があるタイミングで、大工さん自身が刻んだ方が現場でスムーズに進みます。
現場では、微調整が絶対必要(図面通りなんていかない)つきものです。
そんな時に刻みをした大工さんがそのまま現場に入ると、判断が早く、仕事が止まりません。
そして何より、手刻みの良さは、外から見えない部分に出ます。
一見同じように見える柱と梁でも、納まりの精度や細かな工夫が!


今回の棟梁は、峰野さん。

年末から加工を進めてくれていて、屋根断熱材もすでに加工済み。

小屋だからこそ丁寧に準備しておくことで、現場での作業がスムーズに流れていきます。
今回、Mさんには「木で小屋をつくります」とだけお伝えしています。
でも実は、その木の中にも、細かな選択肢がたくさんあります。
この小屋は、棟木と登り梁が室内に見える計画です。
木の表情が空間の印象を決めるので、見える部分の構造材には杉の天然乾燥材を使っています。
天然乾燥材は、木本来の香りとやわらかな色味が魅力。
乾燥時のエネルギー負荷が少ないため、CO2排出量が抑えられる素材でもあります。
木の空間は、目で見て心地いいだけではなく、
ふとした瞬間に感じる香りも含めて、記憶に残るものだと思います。
ただ、天然乾燥材は良いことばかりではありません。
人工乾燥材に比べて、含水率(水分量)が一定ではないこともあり、木の動きが出やすい面があります。
家の構造材としては、何よりも性能と安定性が重要。
そのため、見える部分である棟木と登り梁以外の構造材には、人工乾燥材を使用しています。
安定性と美しさを両立させるために、材料を使い分けています。

赤→杉の天然乾燥材 青→杉の人工乾燥材
もうひとつ大切にしているのが、建物の高さ。
平面のボリュームから逸脱しない高さ設計をしています。
大きすぎない、人間のスケールを大切にした小屋です。
小屋だからこそ、背伸びをせず、手が届く大きさが心地いい。
そんなバランスを意識して設計しています。


そして今回、1日で上棟が完了!
小さな建物とはいえ、かたちが立ち上がる瞬間はやっぱりワクワクします。
お客さまには、こうした細かな設計の意図をすべて説明しているわけではありません。
けれど、完成したときに「なんか落ち着く」「居心地がいい」と感じてもらえるように、設計とつくり方を一つ一つ積み重ねています。
設計は、哲さんが担当。
こういう小さな建物こそ、つくり手の考え方が出る気がします。
工事の様子は、また追ってご報告します。








