遠州地域の伝統的な織物である「遠州綿紬」。その生地や雑貨を販売しているのがぬくもり工房さん。浜松の遠鉄百貨店にアンテナショップがあることでご存知の方も多いかもしれません。2023年、10年の節目を迎える事務所兼店舗のリニューアルをお手伝いさせていただきました。
ぬくもり工房さんの事務所兼店舗は、浜名区の染地台きらりタウン内。日々の業務を重視した生地屋さんスタイルから、お客様が買い物をしやすい店舗メインへのリフォームです。主には、業務と店舗スペースの割合・配置変更となります。年月を経ると、初めのころとは事情が変わったり、最適がそうでなくなることがあるもので、これは店舗でも住宅でも同じこと。実際に使ってみたからこそ、これからの最適が分かるようになります(新築の場合では見えにくいところ)。細部まで思うように実現できるのがリフォームの醍醐味なのです。
新しい店内は、通路幅が格段と広くなりました。お客様が入店時に見渡せるエリアが広がり、開放感がアップしました。通路突き当り、通りへの視線も抜けて気持ちいいです。以前より買い物がしやすい雰囲気になりました(買い物をする時は気分が上がらないといけませんからね)。
今回の目玉は奥に展示された古い織機。特等席にオブジェの如く鎮座していますが、今でもちゃんと動くそうです。来店の際にはぜひ近くでご覧ください。
造作家具も仕切り直し
好みのサイズやデザインを実現できる造作家具はすべてが特注。店舗内にある新築時からの造作家具(棚やカウンターなど)は、素材が「木」であるためリフォームが利きます。今回のリフォームでは、一般的なガラリと変わる店舗改修とは異なり、廃棄するモノが少なく済みました。既存のモノを活かしながら、最適に近づく新しい造作を加える工事です。
例)作業台の高さをマイナス5㎝しました。ここで作業する人にとって本当に使いやすい高さです。作業効率が上がると予想。
ここにあったら便利かも?ということで、パタン!っと羽あげの台を造り付けました。布地をぬいてここで裁断できれば、移動距離がゼロ?
現在、ぬくもり工房さんの店内は、10年経った使用感と共に経年美が出てきています。建物と統一された造作家具いっぱいの木の店舗(空間)はリフォームのし甲斐がありました。造作家具は木でできていますから、手を加えるリフォームがまたできる!というところがポイント。直接、人に触れるということでは、建物そのものより家具の方が身近といえます。これぞ工務店の大工にとっては腕の見せどころで、その職人の技術や経験が家具の細部に現れます。入政建築ではベテラン大工が造作家具を担当しています。
有限会社ぬくもり工房
所在地 浜松市浜名区染地台3-12-25
営業時間 10:00-18:00(水曜定休)
電話 053-545-6391