先日、天竜の材木屋さん「フジイチ」さんへ、見学に行ってきました。
今回の目的は、天竜ヒノキのJAS材が本格的に供給されはじめそう、という話を聞いたからです。
フジイチさんも参画している天竜国産材事業協同組合を中心に、地域ぐるみで取り組んできたJAS材づくり。
天竜では、初めての本格的な取り組みです。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
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待ちに待った「天竜材JAS化」
天竜材のJAS材。ぼくたちにとっては、本当に待ちに待った出来事。
「天竜にはJAS工場がない」
この言葉を、これまで何度聞いてきたかわかりません。
天竜材は、質の良さでは全国でもトップクラスです。それでも、構造材として数値で証明できないことが、長年の課題でした。
どれだけ良い木でも、「安全です」と胸を張って言い切れない。
それが、ずっと引っかかっていました。。。
スケルトンは、絶対に妥協しない
ぼくたちが家づくりで、もっとも大切にしているのが、スケルトン(構造)です。
家は、完成するときれいに見えます。でも、本当に大切なのは、スケルトン(構造)だと思っています。
構造材は、性能を担保したい。天竜材が良い材料であることは、十分に承知しています。
それでも、スケルトンの性能だけは、絶対に妥協できません。
木と木が交わる部分には、在来工法の仕口ではなく、金物工法(ピン工法)を使う。断面欠損を小さくし、接合部の強さを確実に担保する。
この考え方は、長年変わっていません。
なぜ、これまで集成材を標準にしてきたのか
これまで「aisuの家」では、構造材の標準として集成材を採用してきました。
集成材はJAS材であり、金物工法と非常に相性が良く、品質が安定しています。
「なぜ無垢の天竜材をもっと使わないのか」そう聞かれることもありました。
理由は、はっきりしています。
JAS認定がない状態では、強度の判断が、どうしても設計者の感覚に頼る部分が出てしまうからです。
ぼくたちは、新築住宅では一棟一棟、許容応力度計算による構造計算を行っています。
だからこそ、「計算通りの構造体を、現場で確実につくること」にこだわってきました。
天竜ヒノキJAS材という朗報
そんな中で届いたのが、天竜ヒノキJAS材の話でした。
本格出荷は4月以降とのことでしたが、今回、先行して工場を見学させていただきました。

今回JAS材として流通するのは、天竜ヒノキ。
人工乾燥によって、安定した品質に仕上げられています。

これが、乾燥機。

内部は、サウナの匂いです!
ヒノキは密度が高く、人工乾燥に向いた木。乾燥エネルギーも杉の約3分の2程度に抑えられ、環境面でも優れています。
さらに、JASの機械等級を取得できる工場は、静岡県内でも3〜4か所ほどしかないと聞いています。
設備や管理体制、検査体制など、簡単に取得できるものではありません。
そうした限られた工場でつくられているという点でも、今回の天竜ヒノキJAS材は、とても価値のある材料だと感じています。
品質・性能・環境。すべてにおいて、納得できる素材。
杉は、天然乾燥が向いている
一方で、杉は人工乾燥にあまり向きません。杉は水分量が非常に多く、急激に乾かすと、割れや反りが出やすくなります。だからこそ、風と時間に任せた天然乾燥のほうが、木への負担が少なく、安定した材料になります。
現在、天然乾燥の杉材についても、JAS化の試験が進められています。
まだ先の話ですが、性能と風合いを両立した杉材が生まれることを、個人的にもとても楽しみにしています!
ヒノキは人工乾燥、杉は天然乾燥。
木の性格に合わせて、無理をさせない。このフジイチさんのスタンスは、家づくりに向き合う姿勢として、とてもしっくりきました。

木の情熱がすごすぎる、フジイチの「大内さん」
JAS材 × 金物工法が生む、安心の構造
JAS材は、強度が数値で証明された木材です。
品質が安定し、構造計算ともしっかり連動できます。
JAS材を使うことで、金物工法が可能になります。
在来工法が職人の経験に頼る構造だとすれば、金物工法は、理屈で組み立てる構造。
断面欠損が少なく、105角の柱でも十分な強度を確保でき、構造もスッキリまとまります。
さらに、将来の補修やリフォームにも対応しやすい構造になります。
住む人にとってのメリット
こうした取り組みは、すべて住む人の安心につながっています。
地震に対して、最大限の性能を確保した構造は、大切な人を守るために欠かせません。
目に見えない部分への投資こそが、長く心地よく暮らせる家をつくり、暮らしの質を高めてくれるのだと考えています。
補助金の対象にもなります
天竜ヒノキのJAS材を使うことで、以下の補助金制度を活用できます。
・浜松市
「天竜材の家 百年住居る事業費補助金」
・静岡県
「住んでよし しずおか木の家推進事業」
良い材料を使いながら、コスト面の負担も抑えられる。これも大きな魅力です。
aisuの家の「標準」を変えます
今回の取り組みを受けて、「aisuの家」の標準仕様を変更します。

これまでの集成材 → 天竜ヒノキJAS材へ。
「JAS材天竜ヒノキ標準仕様」にしていきます。
地元の良材で、構造体を固められるということ。
これは、私たちにとって、本当に大きな意味を持ちます。
性能・安心・地域性。すべてを大切にした、入政建築の新しいスタンダードです。







